5つの褒めるチャンス

街の小さなピアニスト音楽教室 たまプラーザ教室の百瀬です。

さて、今日は子どもがやる気をもって練習に取り組むための5つの承認についてお話しします。
ピアノの練習だけではなく、日常でも、大人同士のコミュニケーションでもとっても役立つ5つの承認。
まずは一日一つ、意識して言葉にしてみましょう!

目次

5つの承認とは?

1. 結果承認

子どもが演奏した曲の完成度や上達、いわゆる結果を認めることです。例えば、「この曲、すごくきれいに弾けているね」と具体的に褒めることで、子どもは成果を実感し、次の目標に向けてやる気が出ます。

2. プロセス承認

努力や練習の過程を評価することです。たとえば、「毎日練習しているのが素晴らしいね」と言うことで、結果だけでなく過程も大切にしていることを伝えます。これにより、練習が習慣化されます。

3. 行動承認

具体的な行動を認めることです。「今日は新しい曲に挑戦したね」「今日はピアノの練習してたね」と言うことで、子どもは自分の行動が評価されていると感じ、さらに取り組む意欲が高まります。

4. 意識承認

子どもが感じている思いや気持ちを理解し、共感することです。「ピアノの練習しようと思ってたんだね」と意識の部分を承認することです。感情などに寄り添うことで、子どもは自分の気持ちを大切にされていると感じ、より深いモチベーションにつながります。

5. 存在承認

子どもそのものを受け入れ、存在を認めることです。「あなたがピアノを習っていること自体が素晴らしいよ」と言うことで、子どもは自己肯定感を高め、自信を持って取り組むようになります。

 

日本人はどうしても結果承認ばかりになりがちです。結果が伴ったときはもちろん褒められるべきことですが、結果に至るまでにいくつものステップを踏まなければなりません。
結果を出すためには努力が必要。努力の前には行動が必要。行動の前には考える、気づくといったステップがあるのです。
そして一番大切なのは、【気づく】ということ。

ピアノ講師を始めた頃の私は、ピアノを上手くさせなきゃ!とたくさんのことを指摘してきました。
でも、音楽は目に見えないものですから、いくらこちらが「もっとこうして」と言っても、本人がその違いに気づかなければできるようにならないんですよね。見た目でわかるものは素直に直してくれるのですが、それも一時的なもの。音にどんな変化があるのか分かっていなければ、楽な弾き方になってしまいます。要するに、レッスンの時は私に言われるからやっていただけなのです。本人が気づかなければ何も変わらないのです。
では気づくためにはどうしたらいい?この発想から、【聴く力を養う】ということに辿り着き、自分の中で【生きたソルフェージュの指導】というテーマのもと現在のレッスンに至っています。

子どもが何かうまくいっていないと感じた時、この5つの承認を考えてみてください。どこでうまくいってないのかが見えてきます。

家庭での活用法

  1. 日常の会話に取り入れる
    毎日の練習後やレッスン後に、これらの承認を意識して取り入れましょう。子どもが弾いた曲について話すことで、自然に承認する機会を作れます。
  2. 具体的に褒める
    ただ「よくやったね」と言うのではなく、具体的に何が良かったのかを伝えましょう。例えば、「メロディがとても滑らかだった」といった具体的なフィードバックが効果的です。
  3. 練習の環境を整える
    子どもが自信を持って練習できるように、リラックスできる環境を作ることも大切です。お手本を見せることで、意識承認を実践しましょう。
  4. 感情を尊重する
    練習が嫌な日もあるかもしれません。そんなときには、「今日はどうだった?」と子どもの気持ちを聞き出し、共感することを心がけましょう。
  5. 成長を見守る
    結果や進捗に焦らず、長い目で見て成長を応援しましょう。「少しずつ上手になってきているね」といった言葉が、子どもを励まします。

これらの承認をうまく使うことで、子どもは自分の努力が認められていると感じ、ピアノに対するやる気が自然と高まるでしょう。指示・命令・否定なしの家庭でのサポートが、子どもの音楽の旅をより豊かにする手助けになります。

 

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