ピアノの発表会、うちの子出られますか?

たまプラーザ・新百合ヶ丘のピアノ教室【街の小さなピアニスト音楽教室】講師の百瀬です。

そろそろピアノの発表会の準備を…と企画を考え始めました。
すると、保護者の方からちらほら上がってくる「うちの子、出られますか?」という声。
ギクっとされた方、ぜひこの記事を最後までお読みいただけたらスッキリすると思います。

ピアノの発表会、うちの子出られるの?

答えはYes!
今現在通われている生徒さんの中に発表会に出られないな、出したくないなと思う生徒さんは一人もいません。
それぞれのペースで成長が見えるので心配いは全くしていないです。

出演を悩む2つの理由

保護者の方が出られるのか心配に思う理由は、ほとんどが次の2つの理由です。
1、まだピアノを習い始めたばかりで、弾けるのか心配
2、家で練習している様子が見られない、練習時間が少ない

発表会の日に都合がつかないなどの物理的に不可能という場合を除いては、この2つの理由が圧倒的に多いです。

まだピアノを習い始めたばかりで、弾けるかのか心配

本当に習い始めたばかりの生徒さんには、私の方から声をかけさせていただきますが、発表会の開催日が決まった時点で習われている生徒さんであれば、問題なく出られることがほとんどです。
しかし、やはり一人でそれなりの曲を演奏するのは厳しいですし、無理やり自分のレベル以上のことをやらせる必要はありません。習い始めて1年未満の生徒さんは、普段のレッスンの延長線上に発表会があると思っています。なので、発表会でできることはたくさん!たくさんありすぎて、発表時間が誰よりも長くなることは珍しい話ではありません。
レッスンの延長線上なら出演しなくても…確かにそうですね(笑)
この段階の発表会は、発表することよりも「経験する」「目標や憧れとの出会い」の方が価値が大きいです。
でも、この価値は普段のレッスンではできないことなのです。
発表会では難しくて、できないことはさせません。できることを人前でできた!という経験によって自信に繋がっていきます。ピアノを始めたばかりの生徒さんだからこそ、この経験をしていただきたいのです。
一人で曲を弾くようになると、緊張や上手く弾けるのかといった不安やプレッシャーなども加わってきます。初めての発表会は、無条件に人前で演奏することで拍手がもらえる!嬉しい!!これだけでいいのです。
音楽は、聴衆者あって成り立つもの。この最初の経験は音楽の本質を体験できるのです。
始めたばかりの生徒さんでもできること、表現できることはたくさんあります。ですからご安心ください♪

家で練習している様子が見られない、練習時間が少ない

「発表会に出るのかも含めてご相談させてください」と保護者の方ら伝えられた時の”ご相談”第一位は、練習しない問題です(笑)
練習しない子には2パターンあります。
・ピアノへのモチベーションが上がらないタイプ
・好きな曲は弾くけどそうではない曲は弾きたくないタイプ
ではタイプ別にお話ししていきたいと思います。

ピアノへのモチベーションが上がらないタイプ

現在通われている生徒さんの中で、ピアノが嫌いで嫌いで仕方ないという子はいません。
もし仮にそういう生徒さんがいたら、発表会がある・ないに関わらず、私は迷わず「無理してピアノを習わなくてもいいのでは?」と声をかけていると思います。
基本的に、ピアノは好きなのです。ピアノが好きなら練習するでしょ?と大人は思ってしまいますが、そんなに上手くいかかないんです。
基本的に、人間という生き物はサボる習性があります。楽をしたいと思うものです。これを読んでギクっとした保護者の方も多いのではないでしょうか?
痩せたいとは思っている、でもダイエットが続かない…これに似てるんじゃないかと思います。
もう少し真面目な例えをすると、本を読むのは好きだけれど、ひたすら書き続ける漢字の練習は嫌い。
いかがですか?ピアノ自体は好きだけれど、練習が嫌いという気持ちも共感できると思います。

ピアノ教室の入会理由、覚えていますか?

ピアノを始めるときに書いていただいた入会理由、皆さんは何を書いたか覚えていますか?
100%と言っても大袈裟ではなく、「楽しく」と書かれています。そして、練習に関しては触れられていません。もちろん、ピアノの上達には練習は必要不可欠です。でも、その練習量は人それぞれ目標によって異なってくると思います。
練習が嫌いでも、レッスンに楽しく通ってそこでしっかり学び成長していれば本来の目的は達成されているのです。だから、習っている本人は「辞めたくない」というのです。
本人からすると、目的を達成して満足しているのに辞める理由もないのです。
ピアノを学ぶことのハードルを上げているのは大人なのです。

そうは言っても…

楽しいことだけをさせるために習わせているわけではない!そんな声が聞こえてきそうです。
そして私も同感です。
ピアノという習い事を通じて、「社会を生き抜く力」も育んでほしいと考えています。
レッスンでは、必ず我慢して練習する時間を設けています。練習しなければピアノは上達しないからです。
体を動かして楽しく学ぶことは、ピアノの上達というよりは、音楽そのものの学びを深めて聴く能力を高めるために行っています。この力は将来的に音楽を楽しむための最大の武器になること、ピアノの上達には良い耳をもつことが必要不可欠なので、楽しませるためにやっているものではありません。でも結果的に楽しく学ぶことができるのです。
しかし、それでピアノが弾けるようになるかといえば、そうではありません。やらなければずっと弾けないままです。
ピアノは好きだけど練習が嫌いな子は、一人で練習することができないケースも結構あります。負けず嫌いや、聞き分けの良い子は割と練習もコツコツ行いますが、平和主義的なタイプの子は一人でやることが苦手だったりもします。でも、レッスンで講師と一緒に取り組むことで、「苦痛な練習もその時だけは頑張れる」のです。レッスンでは、やりたくないこと・楽しいことをバランスよく混ぜながら進めているので、その子なりにその子のペースで頑張っているのです。
レッスン中不貞腐れた態度やイヤイヤやっている子は現在見受けられません。レッスンの時間に頑張って取り組んでいることを、まずは認めて褒めてあげてください。

なぜ、家では練習しないの?

前にも書きましたが、人間は基本的にサボるものです。
平和主義の子どもは、特にその時その瞬間平和でいたいので、大変な思いをしてまで練習しようとは思いません。また、一緒に頑張れる仲間がいないことも、練習しない要因でもあります。
積極的に保護者の方が練習に参加するというのは練習時間を増やすのに手っ取り早いです。
その時、子どもに教えるのではなく、子どもがレッスンで学んできたことを教えてもらうというのが効果的です。
しかし、現実的には一緒に練習するのが難しい方も多いと思います。
その場合はとにかく、いろいろ言わずに見守ることが一番です。

もう一つ、練習しない理由としてあげられるものは、ピアノへの好奇心がまだ薄い可能性があげられます。
この好奇心を湧き上がらせるのは私の仕事でもあります。
ですから、お子さまを責める必要はありません。
この好奇心、レッスンに通われている生徒さんは全員すでに持ち合わせています。
ただ、ピアノを始めた時期や環境によって、好奇心の強さは異なりますし、必要な好奇心の強さも異なります。
好奇心は持たせられている自信はありますが、保護者の方が望んでいる好奇心の強さに至っていないケースは考えられます。しかし、この好奇心を育てていくことにも時間が必要です。
ちなみに私が本当に好奇心を持ったのは高校の時でした。それからは好奇心が増す一方で、衰えることは今の所ありません。そういった意味で、現段階で楽しくレッスンに通えているのであれば、長い目で温かく見守っていただけると有難いです。
まだ知っている曲の数も、子どもたちは少ない状態です。新しい曲にたくさん出会うこと、自分の知らない曲との出会いもレッスンでは大きな役割を担っています。

好きな曲は弾くけれどそうではない曲弾きたくないタイプ

このタイプの子は、好きな曲に関しては自分で弾くので全く問題ありません。
嫌いな曲を練習しないのは、その曲に魅力を感じていないからです。食べ物と同じです。
好きになれない曲があって当然なのです。
しかし、その曲を練習することで身につけさせたいものがある場合、避けて通るわけにはいきません。上達するためには、嫌いでも頑張らないといけないこともあります。
その場合は、やはりレッスン中に逃げずに頑張ることをさせています。家で一人では頑張れなくても、レッスンで講師と一緒に頑張ることができていれば、嫌なことも我慢してやらなければいけない経験をしているともいえます。

大人の理想を子どもに押し付けていませんか?

保護者の方で結構きかれるのは、自分も習っていたけど練習が嫌でやめたという経験です。
私も似たような思いを抱いていました。でも辞めずにできたのは、両親がいつも温かく見守っていてくれたおかげです。両親は私が音楽の道に進むとは考えてもいませんでした。だから、極論を言えば上手くならなくてもいいと思っていたようです。ある意味放任主義の両親で、音楽を専門分野に仕事する身としては、しっかり練習を管理してくれる親だったらもっと楽だったのに、と思うこともあります。が、もし実際にそうだった場合、私はピアノを続けていなかったことでしょう。
練習しなさいと親からも先生からも言われ続けていたら、それは苦痛でしかなくなります。
自分も同じ経験をし、共感できるはずなのに、子どもに自分が子どもの頃できなかったことをやらせようとしたり、理想を押し付けていませんか?
レッスンに来ても不貞腐れた態度しか取れない、全くやる気がなければ私の方から保護者の方にご相談させていただきます。なぜならば、無理やりピアノを続けるメリットがないからです。もしくは、私との相性が悪く、他の先生だったら伸びるなと思った場合も同じです。
でも現在レッスンしている生徒さんの中でそう思える生徒さんは1人もいないのです。
それぞれペースは違くても、みんな一歩ずつ前に進んでいる状態です。

ピアノ発表会を通して、社会を生き抜く力を育む

ピアノの発表会で私が譲れないのは「責任感」です。ピアノの発表会で、自分の演奏を聴くのを楽しみにしてくれている人がいる、ということをしっかり認識させます。
そして、プロの方との共演で、「やっぱり辞めた」はできないことを、曲を決定する時に約束させます。それは、曲が決まった時点で私の夜な夜な編曲作業が始まること、そして編曲が完成したらプロの奏者にも楽譜が渡され、練習が始まっていることを理由にしています。
でも実際にそうなのです。だから、ピアノの発表会に出る!と決めた瞬間から後戻りはできないようにしています。子どもたちは、当日まで逃げずにやり切らなくてはいけません。
そしてやり切ったからこそ、発表会当日が「楽しい」と思えるのです。子どもたちに頑張った後の達成感を経験してほしいと考えています。そして、この経験こそが社会を生き抜く力の一つになると考えています。

集中力は年齢+1分!!

えっ!?これだけ??

はい、これだけです。1つのことに集中できるのは年齢+1分です。
なので、45分のレッスン時間を集中させるために、私はあの手この手を使っているのです。単純に7歳の子の集中できる時間は8分。だから、レッスンでは5つの学びを習得させることを意識しています。そして1回ではもちろん習得できないので、毎回毎回少ない時間で何度も行うのです。
この集中力の時間を知れば、大人がいかに子どもに無理を押し付けているかが分かっていただけると思います。

 

さて、ここまで読んでみていかがでしたか?
ピアノの発表会は完璧な演奏をすることが目的ではなく、発表会を通して学ぶこと、経験することが大切だと感じています。練習が足りないから、という理由でやる前からやらせないというのは、子どもたちの学びのチャンス、経験するチャンスを奪ってしまうことになります。
練習時間に神経を使うのではなく、もっと家族みんなで音楽を楽しんでいただけたらと思います。

そして、もう一つ。
他の家のお子さまは良く見えるものです。
でも、全く比べる必要はありません。比べるのは”過去の自分”だけです!!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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